2025/03/08 15:14
北欧の暮らしが生んだ温もり。マンゲルボード(洗濯用圧延板)の魅力
西洋の古民芸、特に北欧の暮らしの中で育まれた古道具には、現代の生活にも通じる美しさと機能性があります。今回は、その中でも特に興味深い「マンゲルボード(mangelbräde)」、日本語で洗濯用圧延板と呼ばれる道具に焦点を当ててご紹介します。
マンゲルボードとは?
マンゲルボードは、かつて北欧を中心に家庭で洗濯物を滑らかに仕上げるために使われていた木製の道具です。使い方は、洗濯物をローラー状の棒(kavel)に巻き付け、この板を押し当てて前後に動かすことで、布地のシワを伸ばし、光沢を出すというもの。現代のアイロンのような役割を果たしていました。
マンゲルボードの歴史
マンゲルボードの起源は定かではありませんが、木製品であるため、保存状態の良いものが少なく、その全貌を解明するのは難しいとされています。しかし、16世紀頃から広く使用されるようになったと考えられており、それ以前に使われていた「グレッテストーン」と呼ばれる石製の道具に取って代わったようです。
古いマンゲルボードは、幅が均一で中央部が盛り上がった形状をしており、年代が下るにつれて前端が広くなり、上面が平らな形状へと変化していきました。また、初期の持ち手はシンプルなアーチ型でしたが、18世紀には馬の形を模した装飾的なものが多く見られるようになりました。
マンゲルボードの魅力
マンゲルボードの魅力は、その素朴な美しさと、使い込まれた木材の温もりにあります。一つ一つ手作りされた道具からは、当時の人々の暮らしや知恵が感じられます。また、装飾的な持ち手や模様は、所有者の個性や地位を表すものでもありました。
現代の暮らしにマンゲルボードを
現代の日本では、マンゲルボードを実際に洗濯道具として使用する機会は少ないかもしれません。しかし、その美しいデザインと歴史的背景から、インテリアやコレクションアイテムとして人気があります。壁に掛けたり、テーブルに飾ったりするだけで、空間に温かみと個性を加えることができます。
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