2023/02/02 14:05
1932年に創刊された雑誌「Form」。1845年に設立されたスウェーデンクラフト・アンド・デザイン協会(SSF のちのスヴェンスク・フォルム)により発行された「Form」は今なお精力的に活動を続けています。
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SSFが生まれたのはちょうど北欧に産業革命の波が押し寄せていた時代でした。従来の生産方法は工業化を迫られ、スウェーデンの伝統的な製品は海外の大量生産品に脅かされていました。イギリスのアーツ&クラフツ運動に影響を受けた彼らは大量生産に反対し、運動を組織化。その目的は「芸術家と協力して、スウェーデンの家内工芸の製品、手工芸品、工業製品の洗練を図り、家庭文化の向上と共に一般大衆の趣味の向上に努めること」でした。
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20世紀の始めにはGregor Paulsson(グレゴル・ポールソン)ら新しい世代のアーティストがSSFに加わります。彼はモダニズムの代表者であり、工業社会の可能性を前向きに受け止めたドイツ工作連盟に大きな影響を受け、「芸術家を産業へ」「より美しい日用品を」というスローガンを打ち出しました。「Form」は毎号、インテリア、陶器、ガラス、家具、テキスタイルなどテーマごとに特集を組み、デザインや手工芸品など幅広い範囲を取り上げました。美しさとは、デザインとは何かなど当時の活躍していたデザイナー、アーティスト等がこぞって記事を書いた雑誌でした。
店内には1950年代、60年代のものを中心に展示しています。写真やイラスト、メーカーの広告等はどれも洗練されており、眺めるだけでも十分に楽しめる雑誌です。