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第3回 静電気フリマ
5/31(土)11:00−18:00
【稀少】カール・ハリー・スタルハン作 ロールストランド SVKシリーズ ストーンウェアカップ - 自然の息吹が宿る北欧ヴィンテージ 侘び寂びの美意識が息づく、巨匠スタルハンの手による逸品。 | Myshica Antik
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1. はじめに:北欧デザインの粋と普遍的な価値
この度ご紹介するのは、20世紀スウェーデン陶磁器界の巨匠、カール・ハリー・スタルハンがロールストランドのためにデザインしたSVKシリーズのストーンウェアカップです。北欧デザインは、その機能性と芸術性の融合により、世界中で愛され続けていますが、特にスウェーデンの陶磁器は、その中でも独自の地位を確立しています。本製品は、まさに「用の美」を体現する逸品であり、日々の暮らしに溶け込みながらも、空間に静かな存在感を放ちます。
このストーンウェアカップが持つ美学は、日本の伝統的な美意識である「侘び寂び」や「用の美」といった概念と深く共鳴します。素材の質感を活かし、自然な風合いを尊ぶその姿勢は、単なる北欧デザインの枠を超え、日本の文化的な感性にも響く普遍的な価値を宿しています。この共鳴は、製品が単なる日用品ではなく、精神性や哲学を内包する特別な存在として、日本の消費者に深く訴えかけることでしょう。北欧のアンティーク民芸品や北欧ヴィンテージ工芸品の愛好家の方々に、特にご注目いただきたい一品です。
2. デザイナー:カール・ハリー・スタルハン - 陶磁器界の巨匠の軌跡
カール・ハリー・スタルハン (1920-1990) は、20世紀スウェーデン陶磁器界において、最も影響力のあるデザイナーの一人としてその名を刻んでいます。彼は国際的に高い評価を受け、そのユニークな手作りストーンウェアと産業用食器で知られています。
スタルハンは1920年にスウェーデンのマリ―スタッドで生まれました。1939年、19歳でスウェーデンの名門陶磁器メーカー、ロールストランドに入社し、装飾画家としてキャリアをスタートさせました。初期には表現主義の画家アイザック・グリューネヴァルトの指導を受け、後に彼と共同で制作を行い、その成功によりスウェーデン国立美術館での展示に招待されました。
1943年から1946年にはストックホルムのグリューネヴァルト美術学校で絵画と彫刻を学び、さらに1947年から1948年にはパリのアカデミー・コラロシで彫刻を学びました。
30歳になる頃にはマイスター陶芸家となっており、1953年には重要なミッドセンチュリーの陶芸家グンナー・ニュルンドの後任として、ロールストランドのアートディレクター兼チーフデザイナーに任命されました。
スタルハンの初期の作品、特に1940年代から50年代にかけてのものは、中国の宋王朝の陶磁器芸術の伝統を取り入れた、優雅で繊細な対称形のフォルムと、単色またはマットな釉薬が特徴です。この時期の作品には「ハーレファ―(harpäls)」のような艶やかな釉薬も用いられました。
1960年代に入ると、スタルハンの作品は、より重厚で粗削りな、印象的なスケールの作品へと変化しました。彼は異なる地元の粘土や色、釉薬技術を実験し、分厚くかけられた釉薬が特徴となりました。1960年のストックホルムのギャラリー・ブランシェでの新作コレクションでは、「重厚で、原始的で、頑丈で、劇的」と評され、当時の陶磁器の反潮流を象徴するものでした。彼は、自身のユニークな手作りの形をすべて自ら実行し、装飾的なモチーフも手作業で施しました。
1973年、スタルハンはロールストランドを退社し、自身のスタジオ「Designhuset」を設立しました。この時期も陶芸制作を続け、中国や日本の伝統への回帰を深め、独自の土や鉱物からなる釉薬の実験に注力しました。
彼の作品は、ニューヨーク近代美術館 (MoMA)、ストックホルム国立美術館、コペンハーゲン工業美術館、ロンドン Victoria & Albert Museum など、世界中の主要な美術館に所蔵されています。また、1951年にはミラノ・トリエンナーレでゴールドメダル、1954年にはディプロム・ドヌールを受賞するなど、数々の国際的な賞に輝きました。スタルハンは、ヴォルボ本社(イェーテボリ、1967年)やカンザスシティのコマース・トラスト・カンパニーなどの公共作品も手掛けています。
3. 製造元:ロールストランドの歴史と伝統
ロールストランドは、1726年に創業したスウェーデンで最も古い陶磁器メーカーであり、ヨーロッパにおいても有数の歴史を誇ります。スウェーデン王室御用達としてその地位を確立し、初期の磁器生産から時代とともに変化する素材とデザインの変遷を経て、常に陶磁器産業のパイオニアであり続けました。20世紀に入ると、アール・ヌーヴォーからモダニズムへの移行期において、ウィルヘルム・コーゲやグンナー・ニールンドといった著名なデザイナーを招聘し、芸術性と商業性を両立させる戦略で革新を遂げました。
第二次世界大戦後、ロールストランドはよりモダンで機能的なデザインへと舵を切る中で、カール・ハリー・スタルハンを主要なデザイナーとして迎え入れました。スタルハンがロールストランドにもたらしたストーンウェアの技術と芸術性は、同社の製品ラインに新たな息吹を吹き込み、その後の方向性に大きな影響を与えました。伝統的な磁器製造で知られる老舗企業が、スタルハンを起用してストーンウェアという新素材とモダンなデザインに挑戦したことは、単なる製品ラインの追加ではなく、企業としての先進性と適応力の証です。このSVKシリーズのカップは、ロールストランドという歴史ある企業が、いかにしてモダニズムの波に乗り、革新を追求し続けたかを示す具体的な証拠であり、その歴史的な意義が製品の価値をさらに高めています。
4. SVKシリーズ:その特徴と魅力
SVKシリーズは、カール・ハリー・スタルハンが1950年代後半から1960年代にかけて手掛けた、ロールストランドの代表的なストーンウェア作品群の一つです。このシリーズは、自然素材への回帰と手仕事の温かみを重視したスタルハンのデザイン哲学が凝縮されており、その独特な美学で多くのコレクターを魅了してきました。
SVKシリーズの最大の魅力は、ストーンウェアならではの豊かな釉薬の表現にあります。自然なアースカラーを基調とした、半マットな質感の釉薬は、光を柔らかく反射し、表面には微細な斑点、いわゆる「ゴマ塩」のような砂粒状のテクスチャが散りばめられています。これにより、視覚的な深みと触覚的な魅力が加わり、素朴ながらも洗練された温かみが感じられます。ストーンウェアの釉薬は、焼成時の窯の条件や釉薬の厚みによって一つ一つ異なる表情を見せるため、均一ではない自然なムラや窯変が生じます。この「偶然性」から生まれる唯一無二の美しさは、量産品でありながら各カップが持つ独自の個性を際立たせ、「一点物」としての希少性と特別な魅力を生み出し、所有する喜びを深めます。フォルムはシンプルでありながら力強く、安定感のある形状が特徴です。また、控えめながらも印象的な手彫りや型押しによる幾何学的なパターンが施されており、光の当たり方や見る角度によって表情を変える繊細な装飾の妙もSVKシリーズの大きな特徴です。
5. ストーンウェアカップ:詳細な商品解説
このカール・ハリー・スタルハン作SVKシリーズのストーンウェアカップは、そのコンパクトなサイズと洗練されたデザインが融合した、まさに北欧デザインの傑作です。
デザイナー (Designer) カール・ハリー・スタルハン (Carl Harry Stålhane)
メーカー (Manufacturer) ロールストランド (Rörstrand)
シリーズ (Series) SVK
素材 (Material) ストーンウェア (Stoneware)(石器)
直径 (Diameter) 7.7cm
高さ (Height) 5.1cm
製造年代 (Production Period) 1950年代後半〜1960年代 (Late 1950s - 1960s)
原産国 (Country of Origin) スウェーデン (Sweden)
外観と質感: カップ全体は、温かみのある淡い黄土色からベージュ、あるいはライトグレーがかった色合いで、自然の土の色を思わせる落ち着いたトーンです。釉薬の濃淡により、表面には微細なグラデーションが見られ、単調ではない豊かな表情をしています。半マットな質感の釉薬は光を柔らかく反射し、表面には微細な斑点、まるで砂粒が散りばめられたようなテクスチャが特徴的です。これはストーンウェア特有の素朴さと温かみを強調し、視覚だけでなく触覚にも訴えかける魅力となっています。
カップの胴部の中央から上部にかけては、繊細な幾何学模様が施されています。放射状に広がる線と、それを横切る水平線が組み合わさったような、菱形を連想させるパターンが見て取れます。この模様は釉薬の下に施されたエンボス加工か、あるいは線刻によるものであり、光の当たり方や見る角度によって表情を変え、静かながらも奥行きのある美しさを生み出しています。釉薬のわずかなムラや、手作業によると思われる微細な凹凸が、機械的な均一性とは異なる、一つ一つのカップが持つ個性と温かみを物語っています。
フォルムとサイズ: フォルムは、底に向かって緩やかにすぼまり、口縁部に向かってわずかに広がる、安定感のある逆円錐形(または台形)です。重心が低く設計されており、手に馴染みやすく、実用性にも優れています。直径7.7cm、高さ5.1cmというコンパクトなサイズは、エスプレッソカップや日本茶の湯呑み、あるいは小鉢やデザートカップとしても使用できる汎用性を示唆します。
素材と職人技: 素材は高温で焼成されたストーンウェア(炻器)であり、耐久性に優れ、日常使いに適しています。土の持つ素朴な風合いと、釉薬の豊かな表情が特徴です。このカップには、カール・ハリー・スタルハンの洗練されたデザイン哲学と、ロールストランドの熟練した職人による手作業の融合が息づいています。一つ一つのカップに、デザイナーの意図と職人の確かな技術が込められています。
状態: 本製品はヴィンテージ品であり、製造から年月を経たことによる微細な使用感や経年変化が見られる場合があります。例えば、底面の擦れや、釉薬の貫入(表面のひび割れのように見えるもの)などが挙げられますが、これらは製品が持つ歴史と物語を物語るものとして、その価値を一層高める要素となります。特筆すべき大きな欠けやヒビなどはなく、良好な状態を保っています。このカップは、そのコンパクトなサイズと安定したフォルムにより、実用的な機能美を追求しつつ、ストーンウェア特有の質感と釉薬の表情が、視覚だけでなく触覚にも訴えかける「触れるアート」としての魅力を提供します。単なる鑑賞品ではなく、日常に溶け込むことで真価を発揮する、まさにデザインの典型と言えるでしょう。
6. コレクションとしての価値と推奨される使用シーン
このカール・ハリー・スタルハン作SVKシリーズのストーンウェアカップは、単なる器以上の価値を秘めています。まず、カール・ハリー・スタルハンという20世紀を代表する巨匠の作品であること、そしてロールストランドという歴史あるメーカーの、特に歴史的転換期を象徴するSVKシリーズの一員であるという点が、そのコレクターズアイテムとしての価値を不動のものにしています。北欧ヴィンテージ品としての希少性は高く、時間の経過とともにその価値が増す可能性も秘めています。さらに、ストーンウェアの特性により一点一点異なる釉薬の表情は、唯一無二のコレクションピースとしての魅力を高め、所有する喜びを深めます。
このカップは、著名なデザイナーの作品であることから、時と共に価値が増す可能性のある「投資」としての側面と、日常使いを通じて「心地よい体験を提供する」という側面の両方を持ち合わせています。
推奨される使用シーン:
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日常使いの器として: コンパクトなサイズは、エスプレッソや日本茶の湯呑みとして最適です。**日本酒の杯(お猪口)**としても、その温かみのある質感と安定したフォルムが、特別なひとときを演出します。また、小鉢として和え物やデザートを盛り付けたり、ヨーグルトカップとしても活躍します。ストーンウェアは保温性に優れているため、温かい飲み物や料理にも適しており、日々の食卓に北欧の温かみを加えます。
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インテリアのアクセントとして: 小さな花を飾る一輪挿しとして、あるいはアクセサリーや鍵を置く小物入れとして、空間に彩りを添えます。単体でオブジェとして飾るだけでも、その洗練されたフォルムと質感は、リビングや書斎に静かな美意識と温かみを加えるでしょう。
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特別なギフトとして: デザインやアート、北欧ヴィンテージを愛する方への、心に残る特別な贈り物としても最適です。その希少性と物語は、受け取った方に深い感動を与えることでしょう。
長くご愛用いただくためには、手洗いを推奨いたします。ストーンウェアの釉薬の表情を損なわないよう、優しくお取り扱いください。
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