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大江戸骨董市出店
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スウェーデンを代表する陶芸家、ベルント・フリーベリ (Berndt Friberg, 1899-1981) による、1968年製の稀少なストーンウェアカップをご紹介します。フリーベリの「神の手」と称された卓越したろくろ技術と、繊細かつ官能的なフォルム、そして奥行きのある釉薬の表現が凝縮された、まさに芸術作品です。東洋の美意識に深く影響を受け、京都や東京の国立美術館にも作品が所蔵されている彼の作品は、日本のコレクターにも特別な共感を呼び起こすでしょう。
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商品詳細:
• デザイナー: ベルント・フリーベリ (Berndt Friberg)
• 製造元: グスタフスベリ (Gustavsberg)
• 製造年: 1968年
• 素材: ストーンウェア (Stoneware) 禾目天目 青釉
• 寸法: 直径 8.4cm, 高さ 4.7cm
• サイン: Friberg, Gustavsberg Studio Hand, J (1968年を示す文字)
•コンディション: 経年によるわずかな使用感はあるものの、全体的に非常に良好なヴィンテージコンディションを保っています。目立つ傷や欠け、修復跡は見られません。
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1. フリーベリの「神の手」が生み出す完璧なフォルムとミニチュアの魅力 このカップは、直径8.4cm、高さ4.7cmという手のひらサイズのミニチュア作品であり、フリーベリの芸術的領域の広さと細部への並外れたこだわりを象徴しています。彼は13歳から陶芸作品を手掛けており、1934年にはグスタフスベリ磁器工場に到着するまでに、Höganäsbolaget、Raus Stenkärlsfabrikなど複数の陶器工場で経験を積んだ熟練の職人でした。彼は、すべての作品を自らの手で一つ一つろくろ成形し、「手投げの完璧主義者」として、自身の厳格な基準に満たないものは容赦なく破棄したことで知られています。その並外れた技術の高さから、陶芸家仲間からは畏敬の念を込めて「神の手 (Hand of God)」と称されました。この小さなカップにも、彼の高度な技術と、一点一点に注がれた情熱が遺憾なく発揮されており、単なる量産品ではない極めて高い基準を満たした芸術作品であることを強く示唆しています。
2. 東洋の美学が息づく繊細な釉薬表現 本作品の釉薬は、淡い色調の中に、繊細な質感と独特の模様が特徴的です。フリーベリは釉薬の化学に精通しており、その配合を詳細に記録した「黒い手帳」を所有していたことでも知られています。彼のセラミック作品は、その精緻なマット釉薬が特徴的で、これらは中国や日本の伝統的な釉薬を念頭に置いて開発されました。特に、彼の代表的な「ハーレムファー(兎の毛)効果」は、釉薬が塗られた部分に繊細な線条(ストリエーション)が現れ、器に見事な奥行きを与えます。
1960年代には「オックスブラッド」や彼のお気に入りだった「アニアラ」といった光沢のある釉薬も主流となりましたが、本作品の釉薬は「半マットで柔らかな光沢」に近い質感で、落ち着いた色合いの中に深みと動きを感じさせます。彼の釉薬は「柔らかく、何層にも重ねられ、しばしば絹のような、あるいはベルベットのような質感」を持つことがあり、このカップの釉薬もその洗練された表現の一例と言えるでしょう。画像から読み取れる斑点状のテクスチャーや口縁部近くの幾何学的な線状パターンは、1957-58年頃から釉薬に様々なパターンを取り入れ始め、1968年製の作品に「ユニークな釉薬パターン」が見られるという記述に合致しています。これは、1960年代においてもフリーベリが釉薬の多様な表現を積極的に追求していたことを示しています。
3. グスタフスベリ工房とフリーベリの芸術的遺産 ベルント・フリーベリは、1934年に名門グスタフスベリ磁器工場 (Gustavsberg porslinsfabrik) に入社し、1944年からはスウェーデンで最も多作で有名な陶芸家の一人であるウィルヘルム・コーゲ (Wilhelm Kåge) とスティグ・リンドベリ (Stig Lindberg) のもとでろくろ師として活躍しました。彼はグスタフスベリ・スタジオ (Gustavsberg Studio) でも活動しました。このスタジオは、1942年にコーゲによって実験的な工房として設立され、工場内にありながらもアーティストに「自由な表現の手段と実験の場」を提供することを目的としていました。フリーベリは、このスタジオで彼の象徴的なフォルムと釉薬を発展させました。グスタフスベリが大規模な工場である一方で、G-スタジオが「自由な表現と実験の場」として設立されたという事実は、フリーベリのような完璧主義のアーティストが、なぜ工業的な環境下でこれほどまでにユニークで芸術性の高いハンドメイド作品を生み出せたのかを明確に説明しています。
フリーベリの作品は、スウェーデン国王グスタフ6世アドルフが100点以上を収集したのをはじめ、ロバート・メイプルソープ (Robert Mapplethorpe) やイヴ・サンローラン (Yves Saint Laurent) といった著名なコレクターにも愛されました。彼の作品は、ストックホルムの国立美術館、コペンハーゲンのデンマーク国立美術館、ニューヨークの近代美術館、メトロポリタン美術館、そして京都や東京の国立美術館を含む世界各地の権威ある公共コレクションに収蔵されています。彼はミラノ・トリエンナーレでの金賞 (1948年, 1951年, 1954年) やファエンツァ国際陶芸コンペティションでの一等賞 (1965年) など、数々の栄誉ある賞を受賞しています。また、1964年にはLO文化賞、1979年にはプリンス・ユージン・メダルも受賞しています。フリーベリは1981年に亡くなるまでグスタフスベリに忠実に働き続けました。
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結論: このベルント・フリーベリ作のストーンウェアカップは、彼の卓越した職人技、完璧主義、そして東洋の美意識への深い敬意が凝縮された、真にユニークな芸術作品です。その小ぶりなサイズは、フリーベリの多様な才能と、細部への揺るぎないこだわりを象徴しており、釉薬に見られる繊細なパターンは、1960年代における彼の革新的な表現の一端を示しています。グスタフスベリのG-スタジオという創造的な環境で生み出されたこの作品は、単なる実用品ではなく、アーティストの自由な精神と高度な技術が融合したアートピースとしての価値を確立しています。日本の美術館にも所蔵され、東洋の美学に深く影響を受けたその様式は、日本のコレクターにとって特別な共感を呼び起こすことでしょう。底部のサインが保証する真正性とともに、このカップは、ベルント・フリーベリの遺産を現代に伝える貴重な逸品であり、あなたのコレクションに深みと洗練をもたらすこと間違いありません。フリーベリの芸術的遺産を現代に伝える、貴重な機会をお見逃しなく。
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